人工授精法(AIH)について

タイミング療法にて妊娠されなかった場合には次のステップとして人工授精(AIH)を行います。
また、軽度の男性不妊の方や、頸管粘液の分泌が少ない場合には、十分な精子が子宮内に侵入できていない可能性があります。受精するにはできるだけ多くの元気な精子が卵管にたどり着く必要があります。人工授精ではタイミング療法と同様に、妊娠する可能性が高い日を特定し、元気な精子のみを回収し、カテーテル(細い管)を用いて子宮腔内に直接入れ、精子が泳ぐ距離を短くして受精を助けます。タイミング療法と同様、排卵誘発剤(内服薬や注射薬)を併用する場合があります。

スケジュール

  1. 基礎体温表や超音波検査で測定した卵胞サイズから排卵日を特定します。AIHは、排卵予想日の前日もしくは当日に行います。場合によっては採血にてホルモン測定を行う場合があります。
  2. 人工授精の日が決まりましたら、受付にて人工授精の予約をお取りください。
  3. 人工授精当日マスターベーションにて精子を採取して頂きます。精子は密度勾配法と濃縮により元気な精子のみを選別します。
  4. 専用のカテーテルで処理した精子を子宮の中にいれます。
  5. 後日、排卵の確認を行い、一週間後(高温期)に着床や妊娠に関係する黄体ホルモンの分泌状態を確認します。

人工授精を行う期間

人工授精で妊娠された方の9割以上は人工授精6回目までに妊娠されています。このことから、人工授精が有効な期間はおよそ半年と思われます。

人工授精の次のステップは体外受精になりますが、必ずしもステップアップしなければいけないわけではありません。体外受精に進まれるかどうかはご夫婦でよく相談してから決めてください。